「“気にしすぎ”は性格?それとも治療が必要? 〜HSPと心療内科の関係〜」
「私は人よりも少し敏感で…」 「小さなことが気になって、よく疲れてしまいます」 こういったご相談が、近年、心療内科でも増えてきています。 背景には、HSP(Highly Sensitive Person)という言葉の広まりがあるかもしれません。 この記事では、HSPと心療内科の関わりについて、医学的な観点からやさしく解説します。
10 April, 2025

HSPとは何か?
HSPは「非常に感受性が強く、刺激に敏感な人」を指す言葉です。
心理学者エレイン・アーロン博士が提唱し、日本でも書籍やSNSで話題になりました。
HSPの特徴例:
- 他人の気分に振り回されやすい
- 音や匂い、人混みに疲れやすい
- 些細なミスをずっと引きずってしまう
- 他人に気を使いすぎてしまう
こうした傾向は性格の一部でもありますが、生活に支障を来すレベルになっている場合は、専門的な評価やサポートが必要になることもあります。
HSPと心の不調の違いは?
HSP=病気ではありません。
ただし、HSP傾向の強い人は、以下のような心の不調を併発しやすいとも言われています:
- 適応障害
- 不安障害
- 社交不安症(対人恐怖)
- 抑うつ状態
✅ 見極めのポイント
状態 | 一時的な気質 | 心の不調のサイン |
---|---|---|
疲れやすさ | 休めば回復する | 休んでも回復しない |
気分の落ち込み | 時々ある | 毎日続く/朝が特につらい |
不安・緊張 | 状況によって変動 | 常に感じる/眠れないほど |
心療内科でできること
「HSPっぽいけど、相談してもいいの?」
→ 答えはYESです。
心療内科では、次のような対応が可能です:
- 気質と病気の違いを見極めるアセスメント
- 認知行動療法などのカウンセリング紹介
- 必要に応じた薬物療法の提案
- 職場や学校への対応アドバイス
「自分を知る」ことが、回復や対処の第一歩です。
まとめ:HSPかも?と思ったら…
HSPという概念があることで、「自分の繊細さ」に名前がつき、安心する方もいます。
ですが、もし日常生活に支障があるなら、それは**「ただの性格」ではなく、ケアすべきサイン**かもしれません。
一人で悩まず、心療内科にご相談ください。
あなたの感じやすさは、決して「弱さ」ではありません。