HIV感染症

当院ではHIV感染症の治療を行っております。 症状が出ている方、性感染症の疑いがある方は当院にご相談ください。

8 December, 2024

1.HIVとは?

1-1.HIVとエイズの違い

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫システムを弱めるウイルスです。このウイルスに感染してもすぐに病気が発症するわけではありませんが、適切な治療を受けないと、数年のうちにエイズ(後天性免疫不全症候群)という重い症状を発症することがあります。

HIVはウイルスそのものを指し、エイズはその結果として発症する状態を指します。

 HIVに感染しているがエイズを発症していない人を「HIV陽性者」と呼びます。適切な治療を受けることで、HIV陽性者の健康状態を維持し、エイズへの進行を遅らせることが可能です。

1-2.HIVについて

HIVはウイルスの一種で、血液や体液(精液、膣液など)を通じて感染します。このウイルスは、感染者の体内で免疫システムを攻撃し、特に免疫の要である「CD4陽性リンパ球を破壊して免疫力を低下させます。

1-3.後天性免疫不全症候群(AIDS)について

エイズ(AIDS)は、HIV感染により免疫システムが大きく損なわれた結果、健康な人なら抵抗できるような感染症やがんが次々に発症する状態です。適切な治療を受けていない場合、エイズが進行し命にかかわることがあります。

2.HIVの感染経路と感染症

2-1.性行為による感染リスク

HIVは、無防備な性行為で感染しやすいウイルスです。感染リスクを減らすためには、コンドームの着用が重要で、オーラルセックス、アナルセックスでも感染の可能性があるため、注意が必要です。

2-2.血液を介した感染経路

HIVは血液を介しても感染します。特に、注射器の使い回しや、感染者の血液に触れる機会がある場合は、感染リスクが高まります。医療現場でも、針刺し事故などで感染する可能性があるため、十分な注意が払われています。

2-3.母子感染の可能性

HIVは母子感染する場合もあります。出産時や母乳を通じて赤ちゃんに感染するリスクがありますが、妊娠中に治療を行うことで、母子感染の確率を大幅に減らすことが可能です。

具体的には、HIVに感染していることに気付かないで出産した場合、赤ちゃんへの感染率は30%程度ですが、妊娠初期にHIV感染症に気付き、適切な対応をとるとその確率を1%以下程度まで引き下げることが可能です。

3.HIVの症状と発症

3-1.感染初期の症状

HIVに感染すると、2~4週間の間に発熱、のどの痛み、発疹、倦怠感などのインフルエンザに似た症状が現れることがありますが、自然に治まることも多く、気づかれないこともあります。

3-2.症状が進行する経過

感染初期の症状が収まった後は数年にわたって無症状の期間が続くことがありますが、体内でHIVは徐々に免疫システムを破壊していきます。免疫力が低下すると、通常ではかからないような感染症にかかりやすくなり、エイズの状態へ進行することがあります。

 4.HIV検査の重要性

4-1.検査の種類と方法

HIV検査には、血液を用いた抗体検査、抗原検査、迅速検査などがあります。結果は数日でわかるものから、数分でわかる簡易検査もあり、匿名での検査も可能です。

4-2.陽性判定を受けた場合の対応

もしHIV陽性であると判定された場合、ショックを受けることもありますが、すぐに医療機関での治療が開始されるため、冷静に専門医と相談することが大切です。抗ウイルス療法を受けることで、健康な状態を維持しながら生活を続けることができます。

4-3.検査の実施場所と普及状況

HIV検査は、保健所で受けることができ、多くの場所で無料または匿名で受けられます。自治体によって検査日が設定されている場合もあるため、事前に確認すると安心です。

そこで陽性と出た場合は改めて医療機関を受診し、再度検査をした後に治療が開始されます。

5.HIVの治療と進歩

抗ウイルス療法(ART)の効果

HIVに対する抗ウイルス療法(ART)は、HIVの増殖を抑え、免疫力を維持するための治療法です。ARTを継続することで、HIVの活動を抑え、エイズへの進行を遅らせることができます。

現在のART治療により、HIV感染者の多くは、健康な人と同様の生活を送ることが可能です。定期的に通院して治療を続けることで、感染がエイズへと進行せず、長寿を保つことが期待できます。

6.HIV感染者に対する差別

6-1.差別の実態と影響

HIV感染者に対する差別や偏見は、社会生活や精神的な負担となります。感染に対する知識不足や偏見が原因となることが多いため、正しい情報が共有されることが必要です。

HIVの感染力自体は強いわけではなく、せきやくしゃみ、汗や涙に触れたり、プールやお風呂に一緒に入ったりしても感染はしません。

「知らない」事は恐怖を生み、そこから根拠のない迫害や差別が生まれます。

正しく知り、正しく恐れ、正しく対処しましょう。

6-2.支援制度や相談窓口の紹介

HIV感染者やその家族を支えるための支援制度や相談窓口が設置されています。保健所やNPO法人が提供するサポートサービスもあり、匿名で相談できる窓口も用意されています。

7.HIV感染の予防方法

7-1.コンドームの使用とその効果

HIVの感染を予防するために、性行為の際にはコンドームを使用することが重要です。正しく使うことで、性行為中のHIV感染リスクを大幅に下げることができます。

7-2.性感染症予防の知識

HIVを含む性感染症の予防には、複数のパートナーとの性行為を避けることや、性行為前にパートナーと感染の有無について話し合うことも大切です。

お互いを大切に思えばこそ、こういった情報の共有は大切です。

7-3.母子感染の防止策

HIV感染している妊婦は、医師の指導に従って治療を行うことで、母子感染のリスクを大幅に減らすことができます。出産前から適切な治療を行い、母乳ではなく粉ミルクを使用することで予防効果が高まります。

最後に

HIV感染症は、罹患していることを周りに知られてしまう恐怖や、罹患していること自体に目を背けたい心理から、医療機関受診をためらってしまう場合もあります。

早期受診によって、エイズへの発展を抑えたり、パートナーへの感染拡大を防ぐことができるため、症状が疑わしい場合は早い段階で検査を行い、医療機関で治療を開始する様にしましょう。

新宿駅西口・南口徒歩1分のHIV感染症の診療

当院ではHIV感染症の治療を行っております。
症状が出ている方、性感染症の疑いがある方は当院にご相談ください。

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