なぜ週明けに体調を崩しやすいのか? ― “月曜症候群”の正体と心療内科的ケア
「月曜になると体調が悪い」「休み明けに限って頭痛や吐き気が出る」――こうした症状は“月曜症候群”とも呼ばれ、心と体のリズムの乱れや、慢性的なストレスの影響が関係している可能性があります。本記事では、週明けに体調を崩しやすい理由と、心療内科での対応について詳しく解説します。

「月曜だけ体調が悪い」のは気のせいじゃない
週末は元気だったのに、日曜の夜になると急に気分が重くなり、月曜の朝には頭痛や吐き気、だるさが現れる――。こうした現象は俗に**“月曜症候群”**とも呼ばれ、働く世代を中心に多くの人が経験しています。
一見すると“ただの気の緩み”や“サボり癖”のように見えるかもしれませんが、実は心身のリズムやストレス反応が深く関係している、れっきとした不調なのです。
月曜に体調を崩しやすい3つの理由
1. 生活リズムのズレと自律神経の乱れ
土日に寝坊したり、夜更かししたりすると、体内時計(サーカディアンリズム)がずれ、月曜の朝に無理やり起きることが大きなストレスになります。これにより、自律神経のバランスが乱れ、だるさや頭痛、めまいなどが起こりやすくなります。
2. 週明けのストレス予期反応
月曜から始まる仕事や人間関係を考えると、交感神経が過剰に反応し、緊張状態に陥ります。これが**「動悸がする」「胃が痛い」**などの身体症状として現れるのです。
3. 潜在的な抑うつ・不安状態
「毎週のように月曜に体調を崩す」という状態が続いている場合は、適応障害やうつ状態の前段階である可能性もあります。特に「月曜だけ出社がつらい」といった状況は、心理的なサインととらえることも大切です。
月曜症候群に対する心療内科的アプローチ
当院「新宿駅 内科・心療内科クリニック」でも、月曜の不調を訴える方は多くいらっしゃいます。診療では、以下のようなアプローチを行います。
● 精神的・身体的な原因の見極め
- 睡眠リズムや生活習慣の確認
- 抑うつ・不安傾向のスクリーニング
- 胃腸症状や頭痛などの身体症状の評価
● 薬物療法と心理療法の併用
- 自律神経の乱れを整える漢方や抗不安薬の処方
- ストレス対処力を高める認知行動療法(CBT)
- 必要に応じて軽い抗うつ薬の使用
● ライフスタイル改善の支援
- 週末の過ごし方(“休日の寝だめ”を避ける)
- 日曜夕方以降のリラックスタイムの取り方
- 出社前のルーティン(光を浴びる・軽い運動など)
「月曜がつらい」は立派な受診理由
「休み明けが憂うつなのは当たり前」と片づけてしまわず、繰り返す体調不良は体からのSOSサインと捉えることが重要です。放置することで、本格的なうつ病や適応障害に発展することも少なくありません。
心療内科では、ただ症状を抑えるだけでなく、なぜ月曜につらくなるのかを一緒に紐解くことで、再発予防まで含めたサポートが可能です。
まとめ:月曜の不調は「甘え」ではない
週明けの不調は、「気のせい」でも「怠け」でもなく、心身のバランスの乱れがもたらすごく自然な反応です。適切なケアによって、月曜を苦痛な一日ではなく、“週の始まり”として穏やかに迎えられるようになります。
「月曜だけつらい」を繰り返している方は、どうか一人で抱え込まず、心療内科に相談してみてください。