心療内科で薬漬けにされる?その実態とは
心療内科や精神科に通うことを考えたとき、「薬漬けにされるのでは?」と不安を抱く方も多いでしょう。しかし、現在の医療制度では、医師が不必要に多くの薬を処方することは推奨されていません。むしろ、過剰な薬の処方を防ぐための仕組みが整えられています。

過去と現在の医療制度の違い
以前は、薬の処方量が医療機関の収益に影響を与えていました。しかし、近年の診療報酬制度の改定により、特に精神科や心療内科では多剤併用による報酬が減額される仕組みが導入されています。
例えば、抗不安薬や睡眠薬を3種類以上、抗うつ薬や抗精神病薬を4種類以上併用すると診療報酬が削減されるルールが設けられました。これにより、医師がむやみに薬を増やすことにはデメリットが生じるようになっています。
それでも多剤処方が行われる理由
それにもかかわらず、多剤処方が行われるケースがあるのはなぜでしょうか?
① 過去の医療教育の影響
1990年代ごろまでは、多剤併用が標準的な治療法とされていたため、その治療方針が今も一部の医療機関に残っている可能性があります。
② 迅速な症状緩和のため
医師が忙しい診療環境の中で、患者さんの症状を早く改善する方法として、薬が優先されることがあります。ただし、これが必ずしもベストな治療法とは限りません。
過剰な薬の処方を防ぐためにできること
患者さん自身が、適切な治療を受けるために意識できることもあります。
1. 処方される薬の目的を理解する
薬ごとの役割や期待される効果について、医師から十分な説明を受けましょう。「なぜこの薬が必要なのか?」を理解することで、納得感のある治療を受けることができます。
2. 服薬期間や減薬のタイミングを確認する
「この薬はいつまで飲み続けるのか?」「減薬や中止のタイミングは?」など、事前に確認することで、長期間の服用による不安を軽減できます。
3. 薬以外の治療方法についても相談する
心理療法やカウンセリング、生活習慣の改善など、薬以外の選択肢も医師と話し合うことで、よりバランスの取れた治療計画を立てることができます。
まとめ
心療内科や精神科の治療において、薬は有効な手段の一つですが、それだけが治療の全てではありません。患者さん自身が治療内容を理解し、納得した上で治療を進めることが大切です。
信頼できる医師とのコミュニケーションを大切にしながら、最適な治療方法を見つけていきましょう。
当院の治療方針について
新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、患者さん一人ひとりに合った適切な治療を提供することを最優先に考えており、不必要に多くの薬を処方するような治療方針は掲げておりません。
薬物療法は、症状の改善に有効な手段の一つですが、それだけに頼るのではなく、心理療法や生活習慣の見直しなども組み合わせた総合的な治療を大切にしています。
患者さんが納得し、安心して治療を受けられるよう、十分な説明を行いながら、一緒に最適な治療方法を考えていきます。ご不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。