ジェネリック医薬品とは?メリット・デメリットと選び方のポイント

医療現場や薬局で「ジェネリックに変更してもよろしいですか?」と聞かれたことのある方も多いのではないでしょうか。 ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同じ有効成分を使いながら、より安価に提供される薬として知られています。 しかし一方で、「効果は本当に同じ?」「副作用は大丈夫?」「安いけどちょっと不安…」といった疑問や不安を感じる方も少なくありません。特に、精神科・心療内科のように繊細な薬の調整が必要な領域では、慎重さが求められます。 このコラムでは、医師の視点からジェネリック医薬品の基本的な仕組みやメリット・注意点をわかりやすく解説します。医療費の節約に役立つ知識として、ぜひご一読ください。

5 April, 2025

1. ジェネリック医薬品とは?〜新薬との違いを正しく理解〜

特許期間が終了した先発医薬品(いわゆる新薬)と同じ有効成分を使用して製造されるのが「ジェネリック医薬品(後発薬)」です。
新薬の研究開発には10年以上の時間と莫大なコストがかかるため、特許で一定期間の独占販売権が与えられます。
この特許が切れると、他社も同じ有効成分の薬を開発・販売できるようになります。

2. ジェネリックでも効き目は同じ?〜“生物学的同等性”の重要性〜

ジェネリック医薬品が医療現場で使用されるには、「生物学的同等性試験」に合格する必要があります。
これは、健康な人に先発薬とジェネリック薬を服用してもらい、血中濃度の変化を比較する試験です。
薬の吸収速度や効果のピークなどが80~125%の範囲に収まることが求められています。

3. 注意が必要なケース〜精神科・神経科領域の薬を中心に〜

薬の効果が長時間持続することが重要な「睡眠導入剤」、血中濃度の安定が求められる「気分安定薬」や「抗てんかん薬」などでは、製造工程や添加物の違いによって体感に差が出る場合があります。
このため、ジェネリックに変更する際には、医師や薬剤師と十分に相談しながら慎重に行うことが大切です。

4. ジェネリックのメリット〜医療費の節約につながる〜

ジェネリック医薬品は、新薬に比べて価格が30〜50%ほど安価で提供されることが多く、患者さんの経済的な負担を軽減できます。
国としても医療費全体の圧縮を目的に、ジェネリック使用率の向上を推進しており、2020年には80%を超える使用率が目標とされていました。

5. 薬局選びも大事なポイント〜メーカーの違いによる個人差を避けるために〜

ジェネリック医薬品は複数のメーカーが製造しており、同じ薬名でも添加物や剤形に違いがある場合があります。
そのため、毎回違う薬局で異なる製品を受け取るよりも、「かかりつけ薬局」を決めて、同じメーカーの薬を継続して使用することが望ましいとされています。

6. ジェネリックに変えて調子が悪い?そんなときの対応方法

薬をジェネリックに切り替えてから「効きが弱い」「副作用が出た」と感じたら、すぐに医師に相談を。
特に心療内科・精神科の領域では、薬のちょっとした変化が心身に影響することもあるため、自己判断で服用を中止したりせず、専門家の意見を仰ぎましょう。

【体験談】「薬を変えたら気分が不安定に…」40代・女性のケース

会社勤めをしている40代女性のAさんは、うつ病の治療中に薬をジェネリック医薬品へと切り替えたところ、「なんとなく気分の波が大きくなった気がする」と感じるようになりました。
血中濃度を一定に保つ必要がある薬だったこともあり、主治医と相談したうえで元の先発医薬品に戻したところ、症状は安定しました。

Aさんはその後、薬局をひとつに決めて、同じメーカーのジェネリックを継続的に使用することによって、再び安定した状態を保てるようになりました。

このように、ジェネリック医薬品への切り替えは人によって合う・合わないがあるため、慎重に進めることが大切です。

まとめ:ジェネリック医薬品は正しい理解でより安心に

ジェネリック医薬品は、医療費の節約につながる有効な選択肢です。
ただし、薬の種類や患者さんの状態によっては慎重な対応が必要な場合もあります。
信頼できる医師・薬剤師と連携しながら、自分に合った薬を選んでいくことが健康維持の鍵です。

WEB予約問い合わせアクセス
アクセス
内科
内科予約
心療内科心療内科予約
診療時間
お問い合わせ