仕事で「やる気が出ない」はうつじゃない? “アパシー症候群”という考え方
仕事に対するやる気のなさが続いているのに、趣味には興味がある…。それは「アパシー症候群」かもしれません。うつ病との違いや心療内科での対応について解説します。
10 April, 2025

「やる気が出ない」の正体は?
最近、以下のような状態が続いていませんか?
- 仕事に行くのが面倒、始めても集中できない
- 目の前のことに興味が持てず、先送りばかりしてしまう
- 「サボっているだけ」と自分を責めてしまう
- でも、不思議と趣味や遊びの予定は楽しめる
こうした状態が長引いている場合、「アパシー症候群(無気力症候群)」の可能性があります。うつ病とは異なり、全体的に気分が沈んでいるわけではなく、特定の分野(特に義務的な活動)への意欲が著しく低下するのが特徴です。
アパシー症候群とうつ病の違い
症状 | アパシー症候群 | うつ病 |
---|---|---|
気分の落ち込み | あまり感じない | 明確に感じることが多い |
興味関心の低下 | 仕事など義務的なことのみ | 全体的に失われる |
本人の自覚 | 「やる気が出ないだけ」と軽く考えがち | 苦しみを強く感じる |
このように、アパシー症候群は気づかれにくく、周囲からも「怠けている」と誤解されやすい傾向があります。放置すると職場でのトラブルや自尊心の低下につながることもあります。
原因と背景にあるもの
アパシー症候群の背景には以下のような要因が関係することがあります:
- 長期間のストレスや過重労働
- 達成感や見通しのない仕事
- 人間関係での摩擦や孤立
- 成功や期待へのプレッシャー
- 目標喪失や「燃え尽き」状態
特に真面目で責任感の強い人ほど、頑張りすぎた末にこうした状態に陥ることがあります。
心療内科でできること
新宿駅 内科・心療内科クリニックでは、まず丁寧にお話をうかがい、「怠けではなく心のサイン」であることを患者さんと一緒に確認します。その上で、
- 現状整理とストレス要因の分析
- 認知行動療法的なアプローチ
- 薬に頼らない心理的サポート
- 必要に応じて短期的な休職支援
など、一人ひとりに合った対応を行っています。
まとめ
アパシー症候群は「怠け」ではなく、心が出している疲れのサインです。無理に奮い立たせようとするのではなく、まずは自分の状態を正しく理解することが大切です。