糖尿病の合併症
当院では糖尿病の治療を行っております。 治療をご希望の方、気持ちが続かず治療を途中で辞めてしまった方、 検査の値に不安があったり、異常を指摘されている方は当院にご相談ください。

1.はじめに ~血糖が高いことの何が問題なの?~
みなさん、今や国民病とも表現される「糖尿病」、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
よく聞く病気だけど、糖尿病って血糖が高いだけで、結局自覚症状があるわけじゃないし、日常生活で困ることってあんまり思い当たりませんよね。
では糖尿病では何が問題になるのか?
糖尿病で最も警戒すべきなのは、「糖尿病の合併症」です。
糖尿病の治療において目指すべきゴールというのは、これらの合併症の予防になります。
糖尿病というのは高血糖によって血管にダメージが蓄積してしまう病気のため、細い血管のある体の器官に障害を及ぼした結果、合併症が出てきます。
その段階になるとさすがに自覚症状が出てくるのですが、症状が出てからでは元に戻らない合併症もあるため、我々医療従事者は合併症が出る前に検査で発見し、症状が極力出ないように血糖をコントロールしていくことをゴールとしています。
早期発見のための検査についてはこちらに詳細が記載してあります。
糖尿病の検査とは?>>
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合併症にも様々な種類があり、徐々に進行する慢性合併症と呼ばれるものと、急激に症状が出る急性合併症と呼ばれるものの2種類があります。
以下のページでは、それら2種類について、糖尿病になった結果としてどのような症状が出てくるのかについて解説します。少し専門用語なども使用しているため、難しい内容かもしれませんが、ぜひ見ていただければ幸いです。
2.慢性合併症
糖尿病によって徐々に引き起こされる、慢性合併症の例として以下の症状が挙げられます。
2-1.糖尿病性網膜症(眼の合併症)
糖尿病性網膜症は、糖尿病患者に多く見られる合併症であり、網膜と呼ばれる眼の奥にある光を感じる器官の毛細血管が障害を受けることで発症します。
高血糖状態が続くと、毛細血管が詰まったり、新生血管といって壊れやすい異常な血管が増殖したりします。これにより、眼の中での出血や、網膜剥離(網膜が剥がれてしまうこと)が起こり、最悪の場合失明に至ることもあります。

網膜症は、視力低下の原因として最も一般的で、糖尿病患者の視力保護のために、定期的な眼科での検診が推奨されます。
2-2.糖尿病性腎症(腎臓の合併症)
糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体と呼ばれる部位が高血糖によってダメージを受けることで発症します。
初期段階では、尿の中に小さなアルブミンと呼ばれるタンパクが排出されることによっておこる「微量アルブミン尿」が見られることが多いです。
進行すると、大量のタンパク尿、腎機能の低下、最終的には腎不全といって腎臓の機能が低下してしまいます。
腎不全になると、透析や腎移植が必要となる場合があります。
腎症の予防と進行を遅らせるために、定期的な腎機能検査が重要です。
糖尿病性腎症について>>
2-3.糖尿病性神経障害(神経の合併症)
糖尿病性神経障害は、末梢神経と呼ばれる手足の神経を代表とした細い神経が高血糖によりダメージを受けることで生じます。
最も一般的なのは、足のしびれや痛み、冷感などの症状が見られる末梢神経障害です。
症状が進行すると、足の感覚がなくなってしまい、ひどい場合には足壊疽と言って足の組織が死んでしまうため、足を切断しなければならない場合もあります。

また、自律神経障害も発生し、消化不良、排尿障害、性機能不全などの多様な症状が現れます。

3.急性合併症
3-1.糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、主に1型糖尿病患者に見られる急性合併症です。
インスリンというものは、細胞内に糖分を供給する作用があります。

そのインスリンが不足することにより、体の細胞がエネルギー源を得られず、代わりとして脂肪を代謝し、ケトン体というものが生成された結果、体が酸性に傾きます。
これにより、重篤な脱水、呼吸困難、意識障害などの症状が現れ、治療が遅れると命に関わることもあります。
DKAは緊急の医療処置が必要であり、早期発見と治療が重要です。
1型糖尿病についてはこちらにも記載しております。
1型糖尿病の特徴について>>
1型糖尿病はどんな人がなりやすい?
3-2.高血糖高浸透圧症候群
高血糖高浸透圧症候群(HHS)は、主に2型糖尿病患者に見られる急性合併症です。
ジュースなどの多飲といった極端な高血糖状態が続くと、血液が濃縮されて浸透圧が上昇し、脱水や意識障害を引き起こします。
HHSは非常に危険であり、早急な治療が必要です。
2型糖尿病についてはこちらにも記載しております。
2型糖尿病の特徴について>>
食べ過ぎのせいでなるのに遺伝するの?どうやって対策したらいいの?
最後に
糖尿病は、血糖が高いだけでは病気の進行を自覚しづらいですが、以上のように怖い病気への進行もあるため、それらを予防・早期治療することの重要性をご理解いただけたら幸いです。
予防と対策・治療法についてはこちらにも記載してあります。併せてご覧ください。
糖尿病の治療法について>>
糖尿病の治療法 ~糖尿病は治る?~
新宿駅西口・南口徒歩1分の糖尿病治療
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検査の値に不安があったり、異常を指摘されている方は当院にご相談ください。